社員インタビュー

単純に、生活の中のどこで働くのかという考え方。
取締役 松﨑 健志 <その2>

松﨑本人笑顔の写真

開発現場でシステムエンジニアを経験後、2018年4月に取締役に就任。
現場のメンバーが各自それぞれ、居心地良く、伸び伸びと仕事ができる環境=「遊び場」を守る、ことが大切だと考えている。

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※今回は、ユヒーロ・ユーの新メンバー、田中さんにインタビュアーをお願いし話を進めました。

オフィスレスでの働き方

今、理想の働き方になっていますか?

近づけてもらっていると思います。
自宅中心の勤務になって、家事の手伝いを始め、昼間に家族と過ごせる時間を取れるようになってみて初めて気づくことが増えてきました。

まずは、自分だけのことではなくて、家族の時間の融通をきかせられるようになったことが大きな気づきでした。
今まではほんとに考えられなかったけれど、僕が家にいれば、他の家族の時間を守ることができる。それは、オフィスを手放す前には絶対考えられなかったことです。

それに、自宅にいる時に限らず身軽になりました。
これまでは、お客様との打ち合わせの後に本社に帰って内部ミーティングをしていましたけれど、今では、レンタルオフィスの会議室を利用するようになりました。同じ路線のいくつかの駅近くにあるので、その都度、一番便利な場所を使っています。それがとても便利で、いかにこれまでは「会社にいなければいけない」という先入観で行動していたかに気づきました。

漫画喫茶から漫画がなくなったような場所…ではなかった

レンタルオフィスで落ち着けるか、集中できるか心配に思う人もいるかもしれないと思うのですが、実際はいかがですか?

それが、レンタルオフィスって進化しているんですよ! 最初は、「レンタルオフィスってどんなところ?」と聞かれると半分冗談で、「漫画喫茶から漫画がなくなったような場所だよ」と言っていたんですけど、使ってみると全然違いますね。実際に働いている人の要望というのを常に聞いて取り入れているということを繰り返しているので、どんどん変わっているんですよね。

例えば、漫画喫茶にはこんなもの(と言って、自由に使えるようにテーブルに置いてあるディスプレイの変換アダプターを取り出す)はないじゃないですか。
普段会社でやるときに必要なものがそろっていて、静かであることも保たれていて、オフィスの中に会議室が用意されていて…。一つ一つ小さくびっくりしました。必要なものがそろっていれば、常に移動している本社があるみたいな感覚で自分たちの身を置くことができますよね。

理想の作業環境

自宅では、作業しやすい環境を作っているんですか?

はい! 小さい頃からの夢だった要塞のような環境を作っています。モニターを三面鏡にして、笑。最近ではデスクの下に電子ピアノを置きました。あ、よく考えてみると小さい頃からの夢というよりも、小さい頃には既に自分の机にコックピットを作っていて…。徐々にバージョンアップしていっている感じです。

自分だけの特別な空間は憧れますよね。 要塞歴(!?)は何歳くらいからだったのでしょう?

最初は中学生くらいですね。重いハードディスクを机の可動式引出しの上に無理矢理乗せて、ブラウン管のモニターだったので、学習机がそれで埋まってしまう感じでした。
横にはカシオのキーボードを置いていたので、やろうとしていることはほとんど変わっていないですね 笑。

何がきっかけだったんですか?

なんだろう…?
あ、おじいちゃんの書斎かもしれないです。
一番見た感じに近い。
本棚部屋があって、そこに入ると机の両脇全面が本棚になっていて、机は、濃い茶い色の重めの木材でつくられたもので…。

インタビューの記事ができたらコックピットの写真もいただきたいですね!

それは片づけなければ! 笑

無口なメンバーに見る理想のコミュニケーション

本人写真
本人写真

オフィスレスになって顔を合わせる機会が少なくなると、コミュニケーションが難しくなるのではと感じますが、工夫していることはありますか?

今、まさに試みの時期です。
役員になって、全てのメンバーと同じ立場で話せる状況ではなくなったのですが…。
会社がやろうとしていることは、経営のメンバーが社員に声をかけて食事をする機会を設けたり…。

あ!私、日本酒の会に呼ばれました!

そうですね!
そういう場をつくることも一つですし、場を設けることの他には、「この人であれば、自分の状態を出していい」という状況をエンジニアとマネージャーの間でつくることができていることも大切だと思っています。
それで言うと、この人はモデルだなぁと思うメンバーがいて…。その人が、ビックリするほどに無口なんですよ。

無口な方がモデルなんですね!?

そうなんです。
普段は本当に話さない。でも、コミュニケーションをとる時はとても丁寧ですし、誰に対してもフェア。そういう人が関わるメンバー全員から頼られているという状況が素晴らしいと思うんです。

価値がいわゆる社交的なコミュニケーションという基準でないところにある…。

そうですね。エンジニアに求められる価値で、エンジニアリング以外のスキルは? という記事を読むと、大体それは社交的なヒューマンスキルについて書かれているじゃないですか。そうじゃないところで評価できるというところは大切にすべきじゃないかと思うんです。

個性をそのまま生かすということですね。

その人にとっての遊び場を周りのメンバーが認識していて、本人も価値を感じているのであれば、それを守れるなという感じがします。

いいキーワードが出てきましたね!

こういう話は得意です! 笑。

メンバーの「好き」を活かした活動をしたい

メンバーの働きやすさのために、次に進みたい一歩は何でしょう?

大きく言えば福利厚生ですね。以前、バドミントン部出身のメンバーを中心に、社内バドミントン部が活動していたことがあります。その活動のように、勤務年数や経歴、職種を離れたグループで無理矢理やらされている感のないこと、これだったら積極的にできるんだなと思えることを見つけたいです。若いメンバーがぐっと引っ張れるようなことがあるといいですね。

例えば、あるメンバーはオーディオ好きで、僕自身もおススメしてもらったイヤホンを使っているのですが、彼の趣味はプログラマーやエンジニアにもすんなり受け入れられるだろうな、と感じるものが多いんです。楽器やオーディオ、サバイバルゲーム、映画とか。そういうみんなが楽しめそうな趣味を持っている人が主導できる活動もあったらいいなと思います。せっかく持っているものがあるのに、長い時間過ごす会社の中で発揮できないのはもったいない。

その人にとって心地良い方法で情報発信したり、何かしらの集まりを開催したり、気軽にできると良いですね!

そうですね。率先して趣味を分かち合いたい人が気軽に主導できるような方法を考えていきたいと思います。

Work in Lifeの実現

ユヒーロ・ユーには、生活の中に仕事があるという「Work in Life」という考えがありますが、松﨑さんの「Work in Life」はどのようなものですか?

まず、自分の中では、仕事と音楽と家族が軸になっていて、環境の話で言うと、音楽制作は普段仕事で使っている設備環境にいくつか音楽制作用の設備を足せばだいたいできます。そして、妻も一つのことを集中してやる趣味を持っていて、それぞれが、集中できる環境や時間が同じ空間にあるのも、家族の過ごし方としていいよねという話を最近しています。

それも人の時間を守る方法ですよね。人の時間を守るために自分ができることといったら、ある時間は一定の場所に自分がいられること、人の予定にあわせて自分が動けること。
その両方ができないと実現できない。

今話しながら気づいたのですが、着々とその状況に近づいていると思います。家族ともいて、いつでも人を呼べる状態でもある自分の城として持っておくこと。そして、自分が身軽になっていつでも動けることの2つが大切で、実現できつつあります。

時間の使い方はどうされていますか?

大まかに、1日を2時間毎のブロックに分けて考えています。家族の面倒を見つつの2時間なのか、自分の作業に集中する2時間なのか、会議など他の人と話す時間なのか。
子供に「仕事部屋に入ってこないでね」と言っても、「〇〇して欲しい」とか「お腹すいた」とか言って部屋に入ってくるものですからね。それを前提にスケジュールを組むようにしています。
本社があった時には、会社に行って、客先に出向いて、また会社に戻って、それから帰宅するとなると、移動時間が4時間になることもありました。

2ブロック分ですね!

そうなんです。その分、今は仕事も家事もできるし、睡眠時間も確保できる。これは大きな差です。

1日のスケジュールは2時間ごとのブロックで組み立てます

典型的な一日のスケジュール

1日のスケジュールは2時間ごとのブロックで組み立てます

典型的な一日のスケジュール

気づいたら最先端?

オフィスレスというのは、時代の流れでもありますが、そういう最先端なことをやっていても自慢をする雰囲気ではないですよね。

そうですね。気づいたら最先端になっているという感じ。ユヒーロ・ユーの風潮として、流行りへの抵抗感があるような気がします。何かやると「ちゃらちゃらしてんじゃねぇ」って心の中で思う人が多い気がします笑。でも、結果的には最先端なことをしている。

多様な働き方というと、今のところは女性がパートタイマーや時短で働くことくらいしか対応していない企業が多いような印象ですが、根本的に違うなという印象です。

単純に、生活の中のどこで働くのかという考え方。だから、育児休暇という言葉が出てこないんですよね。深夜に働きたいと言って、夜中にコーディングしてくれているメンバーがいますが、それがその人が働きたい時間だからなんです。

こういう取り組みをしてきた中で、田中さんのように社会経験がある方が、気軽に「ユヒーロ・ユーさんこんにちは」と言える状況は結果としてできたことで、それはすごいなと思っています。ライフステージが変わる中、その人にとっての生活環境を維持しながら働くことの実現にかなり近づいてきていますね。

入社が決まって、初出社した際に伊藤さんから「明日からは自由に過ごしてください」と言われてビックリしました。

そうやって、伊藤さんはみんなが面食らっているのを楽しんでいるんですよ 笑。

そうだったんですね 笑!今、自分で色々と試しながら働く時間や場所の最適なバランスを探っているんですが、普通だったら全て会社に決められていることを自分で決めることができるのは良いなと思っています。

それでは、最後に一言お願いします!

この記事を読んでいる方が、テレワークやオフィスレスな働き方をギラギラしていると感じるのであれば、実際にはそうじゃないということを体験していただきたいですね。
やってみると、移動の時間の分を自分にとっての時間にできたり、家族の時間を守ることができるようになったり、いろんな発見があると思います。